スマホの料金明細で見慣れない「他社接続サービス通信料」が請求されていたら驚くだろう。知らない間によからぬサービスへ通信してしまったのか、と不安がよぎるかもしれない。だが安心してほしい。「他社接続サービス通信料」とはナビダイヤルなどへの通話にかかった通話料金のことだ。
この記事では他社接続サービス通信料について詳しく解説している。なぜ格安スマホ事業者も「他社接続サービス通信料」と表記しているのか、その理由についても触れている。とくに携帯各社の無料通話プランに加入しているのなら、できれば無料通話内でおさめたいと思うだろう。他社接続サービス通信料となる事例や回避策まで解説しているので、最後まで読んでほしい。
記事の内容
- 他社接続サービス通信料とは
- ahamoの他社接続サービス通信料5gとは
- モバoneも他社接続サービス通信料と表記
- イオンモバイルも他社接続サービス通信料と表記
- iijmioの他社接続サービス通信料は?
- ドコモの他社接続サービス通信料を詳しく解説
- xi、foma、5gについて
- 電報料は他社接続サービス通信料ではない
- 他社接続サービス通信料となる事例
- ナビダイヤル(0570)の事例
- テレドーム(0180)の事例
- 67コール(0067-8)の事例
- 他社接続サービス通信料を払わないためにできること
- 他社接続サービス通信料まとめ
他社接続サービス通信料とは
他社接続サービス通信料とは契約している携帯電話会社以外が提供する通話サービスへ電話をかけた場合に請求される通話料金だ。NTTコミュニケーションズ株式会社が提供するナビダイヤル(0570)、テレドーム(0180)などへの通話が該当する。
かつてドコモの利用明細書に「他社接続サービス通信料」と記載があったが、現在は確認できなかった。格安スマホでドコモ回線を利用している場合、利用料金明細書に「他社接続サービス通信料」と表記される場合がある。 ドコモの回線だけが他社接続サービス通信料を請求しているわけではなく、携帯会社によって名称が異なるだけだ。
ソフトバンク回線では「他社通信提供サービス通話料」と表記し、au回線は「各種ダイヤル通話料」となっている。
ahamoの他社接続サービス通信料5gとは
ahamoの利用明細では「他社接続サービス料[5G]」と表記される。これはナビダイヤルやテレドームなどを利用した場合にかかる通話料だ。ahamoには5分以内の国内通話が無料になるかけ放題オプションがあるが、他社接続サービスは対象外である。
ahamoで他社接続サービス通信料ってなんだ?って思って調べたら、ナビダイヤルとかで発生する料金っぽい(引っ越し周りで手続きで電話したわ) pic.twitter.com/EAynhAqqJN
— ししゃも (@sishamo_giogio) March 23, 2022
ナビダイヤル等への通話に記憶がない場合は、WEB料金明細サービスを利用するといいだろう。日時や通話先がすべて確認できるため便利だ。無料で利用できるが手続きが必要になる。手続き後、データが掲載されるまで5日ほどかかるようだ。WEB料金明細サービスの詳細はドコモのサポートページを確認してほしい。
モバoneも他社接続サービス通信料と表記
OCNモバイルONEでナビダイヤルやテレドームを利用した際は、「モバONE/他社接続サービス通信料」と請求書に記載される。OCNモバイルONEではドコモ回線を利用しているからだろう。
通話明細は簡単に確認できる。OCNマイページにアクセスし、メニューの「料金・支払い」から「通話・通話明細」を選択するだけだ。OCNアプリからも通話明細が確認できる。アプリを立ち上げメニューの「契約情報」から「請求情報」を選択、請求年月を指定して表示をタップすればよい。「ご請求内訳」から詳細の確認ができる。
イオンモバイルも他社接続サービス通信料と表記
イオンモバイルでも「他社接続サービス通信料」と表記している。他社と同様にナビダイヤル、テレゴング、テレドームの利用分だ。通話明細の確認は専用マイページから確認できる。イオンモバイルは店舗でもサポートを行っているので、不明点は直接聞いてもよいだろう。
iijmioの他社接続サービス通信料は?
iijmioでも「他社接続サービス通信料」と表記している。ナビダイヤルやテレドームの利用に加え、電報料金も他社接続サービス料に含まれる。他社接続サービス通信料を含む通話明細は会員専用ページから確認可能だ。iijmioの会員専用ページにアクセスし「料金・プラン」をクリック、「通話明細照会」から確認できる。なお郵送での利用明細書発行サービスは行っていない。
iijmioではTwitterで質問や相談を受け付けている。やり取りを見てみると丁寧に回答している印象だ。他社接続サービス通信料の表記に関するユーザーからの質問にも答えている。
基本的に、NTTドコモの明細にある項目については、弊社で名称をカスタマイズせず、そのまま表示をしています。これはお客様の混乱を避けるという意図となりますが、ご指摘の通りカスタマイズしなくても混乱させてしまうケースもあり、難しいところです…。
— IIJmio (@iijmio) April 15, 2019
上記の回答から他社接続サービス通信料という表記は、ドコモの明細の表記と合わせていることがわかる。ドコモ回線を使っている格安スマホでは、ナビダイヤルやテレドームなどの他社サービスを「他社接続サービス通信料」と表記を統一していると考えてよいだろう。
ドコモの他社接続サービス通信料を詳しく解説
今までは格安スマホの他社接続サービス通信料について解説してきたが、ここからはドコモの他社接続サービス通信料について解説する。 ドコモでも「他社接続サービス通信料」は、ナビダイヤルやテレドーム等での利用分である。ただし現在の請求内訳ではxi通話料、5G通話料、foma通話料の一部だ。 なおドコモの光電話を利用している場合は、通話料・通信料の請求内訳名として「他社接続料」が使われている。
xi、foma、5g、カケホーダイについて
ドコモの通話料・通信料の請求内訳名では、xi通話料、5G通話料、foma通話料が使われている。ドコモの場合、契約したサービス名称によって請求内訳名が異なるのだ。
- xi通話料→4G契約
- 5G通話料→5G契約
- foma通話料→3G契約
ただしahamoの場合は契約が4Gだとしても、一律で5G通話料と表記されている。混同しやすいポイントなので覚えておくとよいだろう。
カケホーダイについて
ドコモでは以前、音声通話とデータ通信が別のパックになっている「カケホーダイプラン」を提供していた。現在「カケホーダイプラン」の新規受付は終了している。カケホーダイのプランを継続中であっても、他社接続サービス通信料は別で請求されるため補足として伝えておく。
電報料は他社接続サービス通信料ではない
ドコモでは電報料や電話番号案内(104)の案内料は各種サービスに関する請求内訳として請求される。
- 電話番号案内(104)の案内料→電話番号案内料
- 電報のご利用料金→電報料
iijmioでは電報料が他社接続サービス通信料の名目で請求されるがドコモでは異なるのだ。格安スマホが増えたことや、契約期間の縛りなどが撤廃された今、携帯会社の乗り換えが以前よりは容易になった。当然だがサービス内容や料金、請求名などは統一されていない。自分の携帯電話の使い方を把握するためにも、通話料金の明細や通話明細は確認するとよいだろう。
ドコモには通話・通信の料金明細を確認できる「料金明細サービス」がある。申し込みが必要だがWeb料金明細は無料だ。他にも24時間対応しているドコモの携帯電話専用窓口もある。ドコモの携帯電話から「151」にかければ利用料金の確認ができる。しかも無料だ。Webでの操作が苦手な場合は電話で確認もできるので覚えておくとよい。
他社接続サービス通信料となる事例
他社接続サービス通信料がナビダイヤルやテレドームへの通話だとわかっても、電話をかけるときにわざわざ意識している人は少ないのではないか。ここではさらに詳しく他社接続サービス通信料に該当する事例を紹介する。
ナビダイヤル(0570)の事例
まずはナビダイヤルの料金について解説しておこう。ナビダイヤルの料金は距離や時間、回線によって変化するのだ。ここでは携帯電話からナビダイヤルへの通話の料金を紹介しておく。携帯電話から平日昼間にナビダイヤルへの通話をした場合は3分90円(税込99円)だ。深夜・早朝・夜間・休日は料金が下がり3分80円(税込88円)となっている。その他の料金についてはNTTコミュニケーションズのナビダイヤル料金表を見てほしい。
携帯電話からナビダイヤルに電話をかけると「この通話は20秒ごとにおよそ10円でご利用いただけます」と料金説明のガイダンスが流れる。料金の発生はガイダンスの後からだ。覚えておくとよいだろう。
以下、ナビダイヤルの事例を紹介する。
- 郵便局(お客様サービス相談センター)0570-046-666
- ヤマト運輸(お問い合わせ窓口)0570-200-000
- 日本年金機構(ねんきんダイヤル)0570-05-1165
- 住まいダイヤル(電話相談窓口)0570-016-100
- 中小企業庁(中小企業電話相談ナビダイヤル)0570-064-350
他にも多くの公共サービスや企業でナビダイヤルを導入している。固定電話やフリーダイヤルとともに、ナビダイヤルを用意している企業もあるが、ナビダイヤルだけの場合もある。
ナビダイヤルは携帯各社が提供している無料通話サービスの対象外である。無料通話サービスに加入していたとしても、ナビダイヤルに通話するときは料金が発生することを理解しておきたい。
テレドーム(0180)の事例
テレドームとは電話をかけることで情報を得られるサービスのこと。ナビダイヤルのように問い合わせ番号として利用するのではなく、企業側が有料サービスの一環として提供しているのだ。競馬やボートレースなどでよく利用されている。
テレドームの料金もナビダイヤルと同じく距離や時間、回線によって異なる。携帯電話からテレドームを利用した場合、全国どこからでも料金は一律だ。平日の昼間で3分130円(税込143円)、深夜・早朝・夜間は3分120円(税込132円)である。ナビダイヤルより3分間で40円高い。その他の料金についてはNTTコミュニケーションズのテレドーム番号への通話料金を見てほしい。
テレドームの事例としては、競馬、ボートレース、競輪、オートレース、ラジオでの利用が多いようだ。テレドームのサービスは2023年6月30 日(金)で終了となる。
67コール(0067-8)の事例
67コールとは0067-8で始まる番号に電話することでテレビ番組に参加できるサービス。株式会社りーふねっとが提供するサービスだ。テレビのクイズ番組や投票番組で利用されている。料金は企画ごとに異なるようで、67コールの公式ページに明確な通話料の記載はない。だが1通話で50円(税別)としている場合が多いようだ。67コールも携帯各社が提供する無料通話には含まれないので覚えておくとよいだろう。
他社接続サービス通信料を払わないためにできること
携帯各社の無料通話プランに加入しているなら、無料通話の範囲内で通話したいと思うだろう。テレドームや67コールは自分からサービスを利用しない限り料金を請求されることはないが、ナビダイヤルは問い合わせ先がナビダイヤルしか用意していなければかけるしかない。
そこで無料通話の範囲内でできることを考えてみた。
- チャットやメールで問い合わせをする
- ホームページ上にナビダイヤル以外の番号の記載がないか探す
050から始まる電話番号はIP電話である。携帯各社が提供する無料通話の対象となる場合が多いのだ。だが050から始まる番号であっても、無料通話の対象外となるケースがある。ソフトバンク株式会社は書面にて対象外となる050から始まる番号を公表しているので参考にしてほしい。
050-5864-2343
050-5864-2344
050-5864-2345
050-5864-2346
050-5864-2347
050-5864-2355
050-5864-2359
他社接続サービス通信料まとめ
今回の記事のポイントをまとめておこう。
他社接続サービス通信料とはナビダイヤルやテレドームなどの通話にかかった料金のこと
ドコモの回線を利用している場合の請求書上の表記名
格安スマホでも「他社接続サービス通信料」と表記
- ahamo
- モバONE
- イオンモバイル
- iijmio
ナビダイヤル(0570)は公共施設や多くの企業で利用
テレドーム(0180)は2023年にサービス終了決定
67コール(0067-8)も無料通話の対象外
無料通話内で利用するならナビダイヤル以外の電話番号を探す必要あり
- フリーダイヤル
- 固定電話
- IP電話(050)※ただし050から始まる一部の電話番号は無料通話対象外
WEBサイトのお問い合わせフォームやメール、チャットなどを利用して、他社接続サービス通信料を支払う機会を極力減らすといいだろう。