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真光教信者がつけているネックレス・御み霊の意味や値段は?謎に包まれた中身も紹介

祈る女の子宗教のなかには信者は決まったネックレスを身に着けること、という決まりがある団体も多い。崇教真光や世界真光文明教団という真光教系の諸団体もそのひとつだ。真光系諸教団の信者は「御霊」と呼ばれるロケット型のネックレスを身に着けており、このネックレスをすることで「手かざし」という業(わざ)が使えるとされている。

信者にとっては特別な意味を持つネックレスだが、値段は幾らで、開けてはいけないとされるペンダントトップの中身には何が入っているのだろうか。今回は真光系諸教団の信者が身に着けているネックレスについての疑問や、さまざまな宗教とネックレスの関係について紹介していく。

記事の内容

  1. 真光系諸教団のネックレス・御(おみたま)とは
  2. 真光とはどのような宗教か
  3. ネックレス・御(おみたま)の扱い方
  4. ネックレス・御の値段
  5. ネックレス・御の中身
  6. 真光を辞めるときはネックレス・御霊を返却すべき?
  7. 友人や知人が真光のネックレスをしていたらどう対応する?
  8. 羽生結弦選手のネックレスは
  9. 真光以外にもある!信者がネックレスを身につける宗教一覧 
  10. 霊波之光
  11. 神慈秀明会
  12. 世界救世教
  13. 幸福の科学
  14. キリスト教
  15. 総括:真光教のネックレス・御み霊(おみたま)を見かけたら

 

真光系諸教団のネックレス・御(おみたま)とは

真光教系の宗教団代に入信すると、まず「御み霊」と呼ばれるネックレスが授与される。ネックレスは上の写真の向かって左側のようなもので、信者を増やすなどして教団に貢献すると右側にうつっているような少し立派なものを与えられるという。

崇教真光や世界真光文明教団といった真光教系の団体では、このネックレスは神様から送られてくる霊波を受け止める役目があり、ネックレスを身に着けている人間は媒体となって、神様の波動を使えるようになると言われている。他者の頭などに手をかざすことで神様の波動が放出され、相手の不調を治すこともできる、と信じられているのだ。

真光教と聞くと手かざしを連想する方もいると思うが、実は手かざしはネックレスありきの活動なのである。手かざしの効果や真偽の程はさておき、信者にとって入信時に授与されるネックレスは御神体のように重要な意味を持つのだ。

真光とはどのような宗教か 

真光教系の教団の前身は、1952年に設立された「L・H陽光子友乃会」という団体だ。この団体が1963年に世界真光文明教団と名前を改めたことから、真光教が誕生した。なお、当時から手かざしがおこなわれていたという。

順調に信者を増やしていた世界真光文明教団だが、1974年に設立者であった岡田光玉が亡くなると、誰を後継者に立てるかで教団が二分した。岡田光玉と養子縁組をしている岡田恵珠を支持する派閥と、教団幹部の関口榮を支持する派閥に分かれ、争いは裁判にまで発展している。

そして裁判に敗けた岡田恵珠とその支持者が1982年に世界真光文明教団と袂を分かち、崇教真光という新教団を設立。現在では崇教真光のほうが信者数も多く、規模の大きな宗教となっている。

なお基本的な教えは世界真光文明教団と崇教真光とで変わらないと見られているが、元信者の方からは「崇教真光のほうが信者に対する締め付けが厳しい」「崇教真光の一部の幹部信者のなかには“手かざしで病気は治るため、医療は不要”という偏った思想の持ち主がいて怖い」「文明にはあまり過激な信者はいない」という声が上がっているので、両者の間にも違いがあるようだ。

このように書くと崇教真光に対して恐怖心を感じる方もいるかと思うが、現在ではどちらの団体も、一時期のように街角でいきなり人に声をかけて手かざしをするなどの勧誘活動は減少しているという。

ネックレス・御(おみたま)の扱い方

真光教系の宗教に入信すると授与されるネックレスだが、これは単に身に着けておけばよいというものではなく、扱いには厳しい決まりごとがある。信者に配られるテキストには「御み霊(ネックレス)は自分の命同様に扱うように」と書かれているという。

命同様に扱えと言われてもピンとこないが、たとえば落としたり足元に置いたりする行為は神様に対する無礼となる。ヘソより下にネックレスを置くことは固く禁じられているという。布団の上に置くのも駄目だ。

ペンダントトップの部分を濡らすことも厳禁とされている。濡れると神様とネックレスを繋ぐ連戦が切れてしまうからだという。万が一、濡れたときには新しいものと交換する必要があるそうだ。

このため海水浴や入浴時にはネックレスは外してよいのだが、それ以外のときには常に身に着けていなければいけない。外すと悪い霊が寄ってくるらしい。ほかにも他人に触らせてはいけないなど、ネックレスの取り扱いについては細かい決まりが多い。

また、身に着け方についてもただ首からぶら下げておけばよいわけではなく、下のようなルールがあるという。

  • まず薄くて丈夫な和紙で、ペンダントトップを包む
  • 和紙の上からラップを巻き、さらに銀のホイルを巻く
  • さらに上からラップを三〜五重に巻く
  • レース編みの袋に納めて袋の上からラップを巻く
  • サラシで作った専用の袋に入れる
  • それを下着に縫い付けた袋に納め安全ピンで固定する

真光教の元信者のなかには、教団を辞めてから「御み霊のない暮らしがこんなに快適だとは思わなかった!」と感じる人が少なくないようだが、たしかにここまで厳しい決まりを守るのは大変そうだ。

ネックレス・御の値段

そこまで大切なネックレスならさぞ高価なのだろうと思ってしまうが、真光教系の教団ではネックレスの販売はおこなっていない様子だ。真光教系の教団は入信時に初級真光研修会というものを15,000円払って受けるのだが、この受講料のなかにネックレスの代金も含まれている。そのため具体的なネックレスの値段は不明なのだ。

なお、紛失や水濡れで新しいネックレスが必要になった際にも真光研修会を受けることになるという。真光教系の信者は初級、中級、上級に分かれており、研修費用も中級は50,000円、上級は70,000円と異なる。

ネックレスも18金などで作られたものではないため、貴金属としての価値はないのだろう。ネットオークションなどに真光のネックレスが出品されていることがたまにあるが、落札時の値段は数百円から1000円程度である。

ネックレス・御の中身

真光教系のネックレスのペンダントトップ部分はロケット型になっており、中身には「聖凰(せいおう)」と書かれた紙が入っている。聖凰というの教団創始者である岡田光玉の神名だという。

この中身の紙も信者のランクによって異なるらしく、上級信者のネックレスの中には上の動画で公開しているような金色の紙が入っている。ただいずれも印刷物であり、教祖の手書きなどではない。

真光を辞めるときはネックレス・御霊を返却すべき?

真光教の信者を辞めるには退会届を本部あてに送る、メールを出す、口頭で辞める意思を伝えるなどの方法がある。教団が「対談するときの流れ」を明確に示していないので、辞めることは伝えたが、手元にあるネックレスをどうするべきか悩む人も少なくないようだ。

ただ辞める意思表示をしても教団側から御み霊を返せとも、供養するから持参するようにとも言われないのであれば、自己判断で処分してしまって問題はないのだろう。実際にネット上でも、近所の神社でお焚き上げがあったときにお願いした、ネットオークションで売った、家庭ごみとして捨てた、といったようにさまざまな報告が見られた。

これまで「外してはいけない、外したら霊障が起きて不幸になる」と言われていたネックレスを自分で処分するのは怖い、というのであれば退会届と一緒に教団に送るという方法もある。

友人や知人が真光のネックレスをしていたらどう対応する?

文化庁が発表している令和3年度の宗教統計によると、宗教団体の数と信者数は年々減少傾向にある。また一時期は街頭や大学構内などでの宗教の勧誘が社会問題になったが、現在はむやみな勧誘活動を控える団体が増えているという。

しかしそれでも新興宗教と聞くと、オウム真理教と教祖の麻原彰晃が起こした事件を連想する方も多いだろう。そのため友人や知人が真光の御み霊と思われるネックレスをしていたら、付き合い方に悩んでしまうかもしれない。

ただ、たとえ真光のネックレスをしていても、親や祖父母が入信していて自分は宗教にはなんの思い入れもないという二世信者の可能性もある。また、もし敬虔な信者だったとしても誰彼構わずの勧誘をしてこないのであれば害はないはずだ。

周囲に真光のネックレスをしている人がいても、すぐに関係を断ち切ってしまうのではなく、普通に付き合いを続けてみて「道場に来てみないか」「話だけでいいから」といったように勧誘をされた場合にのみ距離を置くようにするとよいだろう。

羽生結弦選手のネックレスは

2014年のソチ五輪の頃、フィギュアスケートの羽生結弦選手が身に着けているネックレスは真光教のものではないか、と噂になったことがある。しかし真光のネックレスはランクによって大きさや意匠の違いはあるものの、どれも薄い円形である。羽生結弦選手のネックレスとは似ても似つかない。

この頃の羽生選手が愛用していたネックレスは、お世話になっていた整体院の整体師さんから受け取ったものなのだという。整体師さんの念が入っているとのことだが、真光教とは無関係だ。

なお、重ね着けしているほかのネックレスはファイティンのもので、羽生選手が着用しているのと同じモデルもファイティンのオンラインショップなどで購入できる。

真光以外にもある!信者がネックレスを身につける宗教一覧

お祈りをする手元

ネット上には「知人が宗教と関係ありそうなネックレスをしているが、どこの宗教なのか分かる人はいないか?」「恋人がずっと同じネックレスをしているのだが、新興宗教に入っているのだろうか?」といったように、ネックレスと宗教の関係についての相談が多数見られる。

ここでは入信したらネックレスやお守りを身に着けなければいけない真光教以外の宗教団体や、ネックレスを販売している宗教団体などを紹介していく。特定のネックレスを常に身に着けることを義務としている宗教団体もいくつか存在するので、知人や友人が気になるネックレスをしている、という方は参考にして欲しい。

霊波之光

霊波之光は千葉県野田市に本拠地を持つ。入信すると信者は奉仕活動時には白装束を着るようになるのだが、それ以外に厳格な教えや縛りなどはないようだ。しかし近隣には東京理科大学のキャンパスもあるため、周辺の住民からは「学生が勧誘されるのではないか?」と警戒されている。

この霊波之光も信者に対してネックレスを販売している。金色のチェーンに、霊波之光と書かれた長方形の薄い金色のプレートがついたものだ。ただ真光教のように教義とネックレスの間には密接な関係はなく、購入も義務ではない。

それでもこのネックレスは、元フィギュアスケート日本代表選手の高橋大輔さんが身に着けているものに似ていると噂されており、教団外の人からも人気がある。なお、霊波之光のネックレスの素材は18金であり、値段も25,000円ほど。ネットオークションでも15,000円前後で落札されることが多いようだ。

神慈秀明会

神慈秀明会は滋賀県甲賀市を拠点とする宗教団体だ。入信時には「おひかり」と呼ばれるお守りのようなものが授与され、信者はこれを首からかけることになる。この「おひかり」を与えられることで信者は「浄霊」という活動ができるという。ちなみに浄霊は名前こそ違うものの、行為そのものや効果は真光教の手かざしと同じである。

ただ神慈秀明会のおひかりは真光教や霊波之光と違い、上の写真のような布製のお守りなので、簡単に汚損する。首から下げる紐も基本的には布製の糸であるため、やはり耐久力は低い。しかしながらおひかりを汚すことは厳禁とされており、汚れが認められた場合は1万円を支払って交換になるという。

なお、神慈秀明会はもともと世界救世教という宗教から派生した団体であり、世界救世教からは同じように天聖真美会という団体も派生している。そのため天聖真美会の信者も神慈秀明会と同じような布製のおひかりを首から下げている。

世界救世教

世界救世教は、1935年に岡田茂吉を教祖として設立された宗教団体だ。世界救世教いづのめ教団と東方之光という団体と、世界救世教の3団体を包括している。

世界救世教、いづのめ教団、東方之光いずれもメダル型のペンダントトップがついてネックレスを信者に与えており、真光教同様に信者は入浴時などをのぞいて常にネックレスを身に着けるよう義務付けられている。

ネックレスは防水で濡れても問題がないとのことで、真光教のものより扱いやすそうに見えるが、そのぶん値段がとても高い。ものによるそうだが、世界救世教のネックレスは高価なものだと20万円もするという。

幸福の科学

幸福の科学は日本をはじめ世界120カ国以上に信者を持つ新興宗教だ。教祖である大川隆法のイニシャル「R.O」をモチーフにしたネックレスを多数販売しており、強制ではないものの購入する信者が多いという。

幸福の科学によるとこのネックレスは宗教的な意味を持つ宝具であるといい、教団内では正心宝(しょうしんほう)と呼ばれている。身に着けると悪いものを遠ざけ、心身の統一がはかれるそうだ。値段はさまざまで、限定販売されているものなどは数十万から100万円するとの話もある。

キリスト教

日本ではファッションとして浸透している十字架のアクセサリーだが、キリスト教国に行く際には注意が必要だ。基本的に海外、とくにキリスト教徒が多い国では十字架=キリストとされている。そのため無宗教や仏教徒の日本人が十字架のアクセサリーをしていることに、違和感を持たれることも少なくない。

逆に反キリスト教を掲げる宗教が主流の国では、十字架モチーフのものを身に着けているだけで危険な目に遭うおそれもある。日本のように無宗教者が多い国と、特定の宗教の信者が多い国ではアクセサリーの使い方にも配慮が必要だ。

総括:真光教のネックレス・(おみたま)を見かけたら

今回は真光教の信者が身に着けているロケット型のネックレス、御み霊について紹介した。この記事のポイントは以下のとおりだ。

  • 真光教の信者は入信すると同時にネックレスを授与される
  • ネックレスは常に身に着ける必要がある
  • ネックレスの扱いには厳しい決まりがある
  • ネックレスの値段は公開されていなく、入信時の講習費用に含まれる
  • ネックレスの中身は小さな紙
  • 真光教以外にもネックレスと教義に関係がある宗教は多い

真光教では入信するとネックレスが与えられ、これによって手かざし行為ができるようになるという。人による感じ方もあるだろうから、手をかざすだけで体調不良がなくなるなんて悪質な教えを持った宗教だ、とは言い切れない。

そのため周囲に真光教のネックレスを身に着けている人がいても、それだけでこれまでの関係を断ち切る必要はないだろう。

ただネット上には「真光の信者だという友人から、一度だけと言われたから道場に話を聞きに行った。そこから毎日のように勧誘の電話が来る」といった悩み相談も多く見られる。真光教に限らず興味のない宗教のイベントや施設に誘われた際には、心を鬼にして相手に興味がない旨をはっきり伝えたほうが無難だろう。

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